いびきの原因は、あおむけ寝以外にもいろいろなものがあります。
ここでは、いびきの原因となる肥満と飲酒、タバコについて説明していきます。
肥満はいびきの原因となる?
肥満はいびきの原因となります。
肥満になると体の内側と外側に脂肪がつきます。
当然のどのまわりにも脂肪がつき、上気道が狭くなります。
あまり知られていないのが、肥満により舌にも脂肪がつき、舌が大きくなることです。
この二つの原因により、睡眠中の空気の通り道が狭くなり、いびきが起こりやすくなります。
肥満の判定は一般的にBMI(体重Kg÷身長m÷身長m)で判定され、この数値が25以上が肥満とされます。
しかし、この数値が肥満の範囲に入っていなくても、のど周辺に脂肪が多く付くこともあるので、BMIの数値のみで肥満かどうか、またいびきの原因であるかどうかを判定することはできません。
このように、肥満などが原因でのどの周りに脂肪がつくことでいびきが起こる場合、減量することでいびきを改善することができます。
そのためには食事制限と運動の両方を行う必要があります。
運動が苦手な人でも軽いウォーキングなどから始めてみましょう。
飲酒はいびきの原因となる?
アルコールが人体に及ぼす影響の中に、筋肉を弛緩させる作用があります。
アルコールを摂取してから眠りにつくと、上気道の筋肉が緩んだ状態のままになってしまうので、舌の落ち込みもひどくなり、上気道も狭まっていびきの原因となります。
アルコールの摂取によって一時的にいびきをかく場合もありますが、普段いびきをかく人がさらにひどいいびきをかいてしまうこともあります。
普段いびきをかかない人がアルコールの摂取によっていびきをかく場合、もともと上気道の狭窄がある「隠れいびき症」であると考えられます。
いびきは口呼吸を行う人に多く見られます。
アルコールを摂取することで体内の血流がよくなり、血液が鼻の血管にも一気に流れ込むようになります。
このような状態になると、鼻の欠陥がうっ血してしまい、鼻の粘膜が腫れて鼻づまりを起こしやすくなり、口呼吸を行うようになってしまいます。
その結果、口呼吸を行うようになり、いびきをかいてしまうというケースもあります。
タバコはいびきの原因となる?
タバコを吸う人も吸わない人に比べて2.29倍多かったという調査結果があります。
しかし、タバコを吸う人がいびきをかきやすくなる理由はまだはっきりとは分かっていません。
これは一つの仮説ですが、睡眠中はタバコを吸わないので、体内のニコチンの濃度が低下し、鼻づまりを起こすのではないかと言われています。
このように鼻づまりを起こすと、自然と口で呼吸するようになるので、いびきをかきやすくなります。
タバコを吸っていない人でも、タバコが原因でいびきをかく場合があります。
それは、受動喫煙に原因があります。
もし、家族など周りの人がタバコを吸っている場合、自分は吸っていなくても、タバコが原因となるいびきをかいてしまうことがあります。
タバコが原因のいびきを改善するためには禁煙が最も有効な手段です。
自力での禁煙が難しい場合には、禁煙外来を受診することをお勧めします。
禁煙外来はいくつかの条件を満たせば保険が適用されます。
まとめ
- 肥満により上気道が狭くなりいびきの原因となる
- アルコールの摂取により筋肉が弛緩することで舌の落ち込みや上気道が狭くなることによっていびきをかくようになる
- タバコはいびきの原因になるが、その正確なメカニズムは解明されていない
ここまで、肥満、飲酒、タバコがいびきの原因となることとその理由を解説してきました。
いびきはひどくなると睡眠時無呼吸症候群になってしまい、生命に危険を及ぼすこともあるので、生活習慣を改善していびきを抑えるように心がけましょう。