現代は、子供の歯の健康を守る方法がたくさんあります。
虫歯予防のために、小児歯科に子供を通わせる親もいます。
歯磨きに30分以上かけているという親もいます。
他の家庭の話をいろいろ聞くと、不安になることもありますね。
「うちの子はじっとしていないし、そんなにていねいに歯磨きができない」と思う方もいるかと思います。
また、歯磨きグッズがいろいろありすぎて、「何を使えば良いかわからない」という意見もよく聞きます。
今回は、「フロス」や「マウスウォッシュ」にどんな効果があるかを説明します。
また、さまざまなグッズをどんなふうに利用すれば、歯を守っていけるかについても解説します。
「子供の歯磨き」何歳から始めれば良い?
赤ちゃんであっても、乳歯が生えれば歯を磨いてあげる必要があります。
早めに自分で歯ブラシを持たせたいという方は、上の画像を参考にしてみてください。
あやまって喉を突く事故を防ぐタイプの歯ブラシは、グリップ中央部に輪がついています。
また、小さな子供が歯ブラシをくわえた状態で転ぶと、大きなケガをすることがあります。
歯磨きのときには必ずベビーチェアに座らせることが大切です。
■大人が歯を磨いてあげるときのポイント
- 乳歯が生えたてのときは、ガーゼで優しくふいてあげる程度で良い
- キシリトール配合の「はみがきめんぼう」を使うという方法もある
- 子供が自分で歯磨きができるようになっても、必ず「仕上げ磨き」をしてあげる
生えかけの乳歯を、歯ブラシでごしごし磨くと傷つけてしまうことがあります。
歯の表面を守っている「エナメル質」に傷がつくと、その部分が虫歯になりやすくなるため注意が必要です。
いろんなメーカーが発売している「はみがきめんぼう」なら、歯や歯茎を傷つけずに優しく磨いてあげることができます。
はみがきめんぼうは狭い部分も磨くことができますので、離乳食が始まってからも使えます。
歯磨きだけでは汚れは取りにくい!子供用フロスがおススメ
まず、子供の虫歯本数都道府県ランキングで、長年1位を取り続けている新潟県の取り組みを少し紹介します。
新潟県では、「子供用フロス」を配布する幼稚園・保育園が多くあります。
また、フロスを配るときにはパパやママが園に呼ばれ、歯科助手・保健士からフロスの使い方指導を受けます。
新潟県の取り組みはフロスだけではありませんが、歯に対する大人の意識が高い地域は、子供の虫歯率が低いことがわかるかと思います。
平成28年度の虫歯平均本数は、小学6年生でも0.4本という数字が出ています。
フロスを使うと、歯ブラシとは比べものにならないほど、せまいすき間の汚れをかき取ることができます。
食べカスや歯垢をしっかり取りたいのであれば、子供用フロスを使うのはおススメです。
子供はうまくフロスを使いこなせませんので、大人がしてあげるようにします。
普段は歯ブラシで磨くようにし、時間が取れそうなときにフロスで徹底的に歯垢や食べカスを取るという方法で大丈夫です。
ただ、使い方がよくわからないままフロスを使用すると、子供の歯茎やエナメル質を傷つけるおそれがあります。
子供と一緒に歯医者に行き、歯科医師や歯科衛生士に使い方を習うようにしましょう。
子供の歯磨き時にマウスウォッシュも必要?
子供の歯を守るものは、フロスやマウスウォッシュなど、種類がたくさんありますね。
でも、「あれもこれも毎回使わなければ!」と思う必要はありません。
歯ブラシもフロスもマウスウォッシュも、お家の環境に合わせてうまく利用すれば良いのです。
時間にゆとりがある休日には、フロスを使って子供の歯をすみずみまできれいにする。
子供の口の中をチェックするような余裕がないときは、マウスウォッシュでよくゆすがせる。
歯ブラシが大きくて奥歯がうまく磨けない子には、もう1つ「奥歯専用」として小さめの歯ブラシを買ってあげる。
その時できることをやっていくことで、子供を虫歯のリスクから遠ざけるという考え方を持つようにしましょう。
なお、朝起きてすぐのときは口の中が細菌でいっぱいになっています。
マウスウォッシュは食べカスを取ることはできなくても、細菌を減らすことには活躍してくれます。
朝の歯磨きが完璧にできなかったとしても、とにかくマウスウォッシュで清潔にしておくだけでも、効果はあります。
いろんな道具を一気に使うことよりも、長続きできる方法を家庭の事情に合わせて見つける方が大切です。
まとめ
- 歯を守る「エナメル質」を傷つけたり溶かしたりすると、虫歯になりやすい
- 小さな子供の歯磨きには、ガーゼや専用の綿棒を使うと良い
- フロスはせまい部分の歯垢や食べカスも取ることができる
- ただしフロスは使い方が難しいので、親がやってあげるようにする
- マウスウォッシュは口の中の細菌を減らすのに効果的
歯科医で歯磨きの指導を受けると、特にどのあたりに「磨き残しがあるか」を教えてくれます。
歯の磨き方にはそれぞれにクセがあり、ていねいに磨けている部分と、そうでない部分があります。
子供が自分の磨き方のクセを知ると、歯磨きのときに意識するようになり磨き方も改善されていきます。
最近では、虫歯菌と戦える「乳酸菌」が高い注目を浴びています。
毎日の歯磨きも大切ですが、口の中に乳酸菌をたくさん持っている子と、そうでない子とでは、虫歯になる確率も全然違います。
口の中の細菌を除去できる乳酸菌入りのトローチや、乳酸菌入りの歯磨き粉などはインターネットでも購入できます。
口の中の細菌を減らすこと、食べカスを残さないこと。
この2つが、子供を虫歯から遠ざけるポイントです。
「朝は忙しくて歯磨きがゆっくりできない!」という方も、神経質にならず、マウスウォッシュや乳酸菌などをうまく活用しましょう。