子育ては、心配と苦労の連続ですね。
ママがラクできるのは、出産直後くらいかも知れません。
退院してからたよりにできるのは、ベテランママか、3ヵ月検診などで会う保健士さんくらいですね。
今回は育児の悩みとして多く寄せられる、「子供の歯磨き」について考えていきます。
多くのママは、「子供の歯磨き」に対して不安を持っています。
特に悩みになりやすいのが、“歯が生えてきたらすぐに歯磨きが必要?”という疑問。
そして、“子供に歯磨きが大切だとわかってもらうにはどうすればいい?”という疑問です。
ここでは、多くのママが抱える疑問にお答えしていきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
子供に自分で歯磨きをさせるのは何歳から?
歯ブラシのあつかいができるようになる年齢は、子供によって差があります。
だいたい3歳頃には、歯ブラシを口に入れて、磨いているような行動はできるようになってきます。
スプーンで、じょうずに食べ物を口に運べるようになってきたら、少しずつ練習させてあげましょう。
1歳~2歳頃から歯磨きの練習を始めるお家もありますが、子供が小さいときにはいくつか注意する点があります。
■幼少の子供が歯磨きをするときの注意点
- グリップ部分に輪っかがついた乳幼児用の歯ブラシを使うと安全(※上のイラストのピンク色の歯ブラシが参考です)
- 転倒で口の中をケガしてしまう事故が多いので、ベビーチェアなどに座らせる
- 子供が歯磨きをしている間は、目を離さない
- 必ずパパやママが「仕上げ磨き」をしてあげて、磨き残しがないようにする
小さな子供は手先が不器用ですし、「しっかりと磨こう」という意識もまだ持てません。
でも、「練習」は大切ですので、温かい目で見てあげましょう。
最低でも、小学校に入るまではパパかママが仕上げ磨きをしてあげることが必要です。
虫歯になってしまったら子供にどんな影響がある?
大きな虫歯ができてしまったら、子供にはどんな影響があるでしょうか。
「体の影響」と「心の影響」、両方を見てみましょう。
■虫歯が与える影響は?
- 乳歯がひどい虫歯だと、次の永久歯も虫歯になりやすい
- 生えてきた永久歯がはじめから虫歯の子もいる
- 乳歯を抜く・乳歯がしっかりしていないなどの影響で、歯並びがガタガタになる
- 虫歯がひどくなればなるほど、治療に時間がかかる
- 麻酔や神経治療など、辛い治療を受けなければならない
- 痛みや薬の影響で、勉強などに集中できない
虫歯は、「初期の段階」で治療してあげれば、特に悪い影響を思い悩む必要はありません。
また、小さな虫歯だと1回の治療で終わりますので、子供の心や体への負担も少ないです。
仕上げの歯磨きをていねいにしているママほど、すぐに子供の歯の変化に気づくことができます。
うっすらとでも茶色い部分を見つけたら、とにかく早く歯医者さんに連れていきましょう。
中には、「これはまだ虫歯になっていないけど、そのままにしておくと虫歯になる状態です。お母さん、よく見つけましたね」と歯科医から褒められるママもいるんですよ。
治療にとりかかるタイミングが早ければ、削っても痛みはないし、たった1回で治せます。
治療で痛い思いをしなければ、子供が歯医者嫌いにならないメリットもありますよ。
どうすれば歯磨きの必要性は子供に伝わる?
食後に歯を磨く…大人にとっては「当たり前」ですね。
けれど子供の場合は、歯磨きを面倒くさがったり、イヤがったりすることがよくあります。
小さな頃から、虫歯の怖さや、歯磨きの必要性を教えていけば、少しずつ「歯磨きは大切」ということは理解するようになります。
しかし、実際に痛い目や大変な目に遭ったわけではありませんので、どうしても面倒に感じてしまうようです。
「歯が大切」「歯磨きはきちんとしよう」「虫歯は痛い・怖い」ということを伝えつつ、もうひと工夫してみましょう。
■歯磨きの必要性を伝えるために…
- 日頃から、虫歯の絵本を読み聞かせする
- YouTubeなどで、子供向けの歯磨きの唄などの動画を見せる
- 家族一緒に歯磨きの唄を歌う
- ママやパパが歯磨きをしている姿を見せる
子供に歯磨きが大切だと教えておくのはとても大事なことです。
でも、子供はどうしても「楽しくない」ことは「やりたがらない」ものなんですよね…。
歯磨きに対して楽しいという印象を持ってもらい、自然と積極的になれる雰囲気を作りましょう。
まとめ
- 小さな子供はうまく歯磨きができないため、「仕上げ磨き」が大切
- 歯磨きをしながら転倒することもあるので、ベビーチェアに座らせるようにする
- 虫歯の疑いがあるときは、早く治療を受けさせることが重要
- 乳歯がひどい虫歯になると、永久歯や歯ならびに悪影響が出る
- 歯磨きは楽しいと感じさせる工夫をすると、子供は積極的になる
子供が小さい間は、仕上げ磨きをするんだから、自分で歯磨きをさせなくてもいいんじゃない?と思う方もいます。
たしかに、パパやママがすみずみまで磨いてあげれば、お口の中はキレイになりますね。
でも、受け身な形で磨いてもらうだけでは、子供の「歯磨きに対する意識」は育むことができません。
毎日の歯磨きを「習慣」として身につけることで、歯磨きへの意識は育ちます。
子供の歯の健康を保つには、パパやママの「仕上げ」も、子供自身の「歯磨き」も、どちらも大切なのです。
なお、「子供の虫歯の本数が少ないランキング」で毎年1位に輝いている新潟県では、大人に対する「仕上げ歯磨き」の教育が徹底されています。
新潟県では、小学校を卒業するまでを「仕上げ歯磨き期間」の理想としています。
その結果、小学6年生になっても虫歯になる子はほとんどなく、虫歯本数の平均はわずか0.4本です。(平成28年度)