3月3日のひな祭りの日には、お雛様を飾って、ひし餅やひなあられ、白酒をお供えしてお祝いしますね。
ところで、「白酒」は子供が飲んでも大丈夫なのでしょうか。「白酒」と「甘酒」は同じなの?
そもそも女の子の成長と健康を祝うお祭りの日に、なぜお酒を飲むのでしょうか。
ここでは、ひな祭りに甘酒を飲むようになったわけについてお話します。
ひな祭りに甘酒を飲むのは、どんな意味があるのでしょうか。
ずっと昔、お隣の国、中国では3月の季節の変わり目の頃に、身体の中の悪いものをはらって元気で長生きできますようにと、お祈りをしていました。
その時に飲んでいたお酒が「甘酒」の始まりです。
昔、赤ちゃんの代わりに、大蛇をお腹の中に宿してしまった女の人が、3月3日に「白酒」を飲んだとたん、お腹の中の大蛇が出て行ったのです。
それから、中国では女の人の身体の中をきれいにするために、お腹の中に悪い子が宿らないようにと3月3日に「白酒」が飲まれるようになったと言われています。
「桃」には、悪いものを払う力と、百歳(ももとせ)まで生きることができる力があると言い伝えられています。
昔の中国では、このお酒を3月3日のひな祭りの日に飲んでいたと言われています。
ひな祭りに「甘酒」を飲むのは、身体の中から悪いものを追い出して、健康で長生きできるようにという願いがこめられているのです。
ひな祭りに飲む甘酒には、どんな由来があるのでしょうか。
「元気で長生きできますように。」という願いをこめて飲まれた「桃香酒」が日本に伝わって来たのは、今から千年くらい昔のことです。
それから500年くらい経ったお侍さんの時代になると今のように「ひな人形」を飾って、ひなあられやひし餅をお供えするという「女の子のお祭り」が始まりました。
その頃は、女の人がお酒を飲むことは殆どありませんでした。
桃の節句の頃に豊島屋というお酒の店の豊島屋十右衛門さんという人が、女性でも飲める甘いお酒を造って売り出しました。
これが大人気となりました。
桃の節句の頃に売り出されたので、それ以来「ひな祭り」にそのお酒が飲まれるようになったそうです。
それが「白酒」の始まりです。
このようにして、中国から伝わってきた「桃香酒」は、「白酒」というお酒に変わりました。
ひな祭りに、子供が「甘酒」を飲んでも大丈夫?
江戸時代に始まった「ひな祭りに白酒を飲む習慣」ですが、今では「白酒」ではなくて「甘酒」を飲む場合が殆どですね。
「白酒」は、お酒なので子供は飲めません。それでは、「甘酒」は大丈夫なのでしょうか。
「甘酒」にも、アルコールは含まれています。アルコール度は1%未満ですが、0ではありません。
幼い子供に飲ませるのには、やはり心配ですよね。
- 酒粕で作る甘酒 材料の酒粕に、アルコールが含まれている。
- お米と米麹で作る甘酒 アルコール分は含まれていない。
※子供用に甘酒を買う時は、原材料の表記を良く確認してから、「お米と米麹」を使ったものを選ぶようにしましょう。
まとめ
- ひな祭りに「甘酒」を飲むのは、身体の中から悪いものを追い出して、健康で長生きできるようにという願いがこめられている。
- 中国から伝わってきた「桃香酒」に代わり、「白酒」が飲まれるようになった。
- 米や米麹で作られた甘酒は子供でも飲める。
ひな祭りの「白酒」の由来は、中国から伝わってきた「桃香酒」という、いかにも桃の節句にふさわしい名前のお酒ですね。
ただし、この「桃香酒」も日本で出来た「白酒」もアルコールですので、残念ながら子供が飲むことはできません。
子供が飲める「甘酒」もありますので、ご家族で楽しめそうですね。