ひな祭りの季節になると、お店の店頭には3色の彩り美しいひし餅が並びますね。
ひな祭りが近いことを意識させられ、春の訪れを感じます。
ひし餅は、なぜあのような菱形なのでしょう。何か意味があるのでしょうか。
また、ピンク、白、緑の色にも 特別な意味があるのでしょうか。
今回はひし餅の形や色の意味、由来や食べ方などについて解説していきます。
ひな祭りのひし餅には、どんな意味があるのでしょうか。
独特な形と色のひし餅。それぞれ、どんな意味があるのでしょうか。
ひし餅の色は上からピンク・白・緑というのが一般的です。それぞれの色は、どんな意味があるのでしょうか。
- ピンクは、「魔除け」という意味。また、桃の花をイメージする。
- 白は、「清浄」という意味。そのほか、子孫繁栄の願いがこめられている。
- 緑は、「厄除け」「長寿」という意味。
★下から緑→白→ピンクの順に重ねる場合。
ピンクは「桃の花」、白は「雪」、緑は「大地」をそれぞれイメージしています。
「雪がとけて大地に草が芽生えて 桃の花が咲く」という様子を表現しているとされています。
★下から白→緑→ピンクの順に重ねる場合もあります。
この場合は、「雪の中から若葉が芽生えて、若葉の上に花開く」という意味だそうです。
「雪の中から若葉が芽生え」という表現から、雪の多い地方かも知れませんね。
※近年、地方によっては、黄色やオレンジ、赤などを入れて5色や7色のひし餅も登場しています。
華やかさを出すためと言われますが、黄色は月、赤やオレンジは太陽を表しているのだそうです。
ひし餅の形は、心臓の形を表しているといわれています。
そこには、健康長寿や災厄を除くという願いがこめられているのです。
また、ひし餅の菱形は、菱の実の形であるとか、大地を表しているという説もあります。
ひな祭りのひし餅には、どんな由来があるのでしょうか。
「ひな祭り」は遠い昔、中国で行われていた「上巳の節句」が原点です。
一年の穢れを落とし清める日でした。その時に食べられていたのが「母子草で作った丸い緑色の団子」でした。
この丸い団子がひし餅のルーツです。日本に伝わって来た時に、母子草の代わりに「よもぎ」を使うようになりました。
※「よもぎ」には、造血作用があります。
「菱の実」は子孫繁栄や長寿を意味するとされています。
白い餅と緑の餅が交互に重ねられ、2段~5段のお餅になりました。
※「菱の実」には、血圧を下げる効果があります。
現在と同様の3色になりました。「クチナシ」は魔除けに効果があるとされています。
※「クチナシ」には、解毒作用があります。
ひな祭りのひし餅の食べ方には 決まりがあるのでしょうか。
ひし餅の食べ方には特別な作法はありませんが、昔から言い伝えられる習わしのようなものがあります。
ひし餅の角が尖っている部分には、魔除けの意味があるのです。
その角をちぎりながら食べると縁起を担げると言われています。
また「角が立たないように丸く生きましょう」という願いがこめられていると言われています。
縁起物なので、お雑煮、おかき、ぜんざい、焼き餅など、美味しく調理して頂きましょう。
まとめ
- ピンク、白、緑は、それぞれ魔除け、清浄、長寿を意味している。
- ひし餅の形は、心臓の形を表していると言われている。
- ひし餅のルーツは中国の団子。現在の3色のひし餅になったのは江戸時代から。
- ひし餅の角をちぎりながら食べるとことで「角が立たないように丸く生きましょう」という願いがこめられている。
ひし餅の歴史を紐解くと、奥深いものがありますね。
そこにこめられた先人たちの想いを感じながら、美味しく頂きましょう。